NIKI RESORT INC.,
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2016.12.12
二期倶楽部 創業30周年を迎えて―「進みながら、強くなる」

ご挨拶

皆様におかれましてはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
今秋、二期倶楽部は創業30年を迎えました。
わずか41室のこの小さな宿を今日まで続けてこられましたのも、ひとえにお支えくださいました皆さまのお力添えの賜物と、深く感謝いたしております。
皆さまの創業以来のご愛顧に、社員一同心より厚く御礼申し上げます。

二期倶楽部創業は、1986年、わずか6室の客室から始まりました。初めてこの地を訪れた時は街灯も殆どなく、民家や別荘もありませんでした。敷地全体は篠に覆われていて、鬱蒼とした林に一歩足を踏み入れると、二本のせせらぎが流れる美しい土地との出会い、まるで昨日のことのように思い出されます。

建築家・渡辺明さんのデビュー作でもあるこの建築は、栃木県の伝統的な素材である大谷石と赤松を大胆に用いて、日本建築が持つ独特の陰影に満ちた空間を現代的に再構成したものとして、高く評価されました。日本の伝統的な旅館と、ホテルの快適さを兼ね備えた全く新しいタイプの宿泊施設、和魂洋才をテーマに運営してきた二期倶楽部の思想を象徴するものです。
以来、人間にとって“豊かな時間”をテーマに、二期倶楽部はハードとソフトの両面から深化を続けてまいりました。

2003年には、テレンス•コンラン卿率いるコンラン&パートナーズのデザインによる「NIKI  CLUB&SPA」をオープンしました。千数百年の温泉文化の歴史を持つ那須の地に、現代の新しい湯治文化の提案として構想したものです。テレンス•コンラン卿によるアジア初のスパリゾートとして、多くのメディアにご取材いただきました。ここでは身体、心、気の調和した総合的(ホリスティック)健康観に基づき、スパフード、温浴、森林浴、トリートメント、そして菜園活動やアート活動を取り入れたホリスティックステイを追求してまいりました。身体・心・霊がバランスよい状態をつくりあげる、いわばnikissimoが考える身体と心のラーニングステイといえるものです。

「優れたリゾート地には良いホテルと良いレストラン、そして良い劇場がある」“文化のショーケースとして”-リゾートの定義としてしばしば語られるこの言葉を胸に、創業20周年事業として2006年には巨大な7つの巨石と鏡面ステンレスによる野外劇場「七石舞台 かがみ」とゲストハウス「観季館」が完成いたしました。最古の石と現代のテクノロジーの融合により出来た特別な舞台ではこれまでに、伝統的な芸能からコンテンポラリーなダンスまで、様々な催しを重ねてきました。

那須高原・横沢の地に少しずつ創り上げた文化リゾートに、隣接して生まれたのが本格的なガラススタジオと陶芸スタジオを併設する体験型レジデンスホテル、「アート・ビオトープ那須」です。アート・ビオトープ那須では、定期的にアーティストによる様々なワークショップなどが実施されています。また、2008年から始まったアートフェスタ「山のシューレ」の会場として、期間中には国内外から多くのお客様がお越しくださるようになりました。今日この「山のシューレ」は地域の祭としてすっかり定着しています。

2007年に誕生した「アート・ビオトープ那須」によって、横沢の地は小さな芸術家村ともいうべき顔も持つようになりました。いよいよ来春には、ツリーハウスに続く庭の第二弾として、建築家・石上純也さんによる水と木々によるボタニカルガーデン「水庭」が完成いたします。

那須高原にある別荘地に至る途中のただの通りすがりのなにもない場所に二期倶楽部本館、スパリゾート東館、観季館、アートレジデンスアート・ビオトープと、自身の美意識をたよりに“手縫い仕事”を重ねてきた30年です。日本を代表するクリエイター達との協働によってつくられた各施設は、それぞれの個性を持ちながらも、有機的に繋がり、調和を保ち、多くのゲストに支えられ今、ここにあります。

現代文明が転換点に差し掛かろうとしている今、ホスピタリティが果たす役割は新たなステージへと変わりつつあることを実感しています。私たちは「リゾート=場所」を文化生産の拠点とし、自然と人とが共有する新しいプラットホームとして業態を深化させていきます。良いリゾートに良い人々が集う―この美しき村の完成は私たちと協働してきたクリエイター、長くご利用下さっているゲストが思い描く未来構想でもあると確信しています。
そして、この場で深めた思想、磨いた技術をもとに良い未来に向かって良いことを続け、新しい価値を創っていけたらと思っています。

数学者岡潔先生は「心のふるさとが懐かしい」という情緒の中でなければ、人は決して生き生きとした理想を描くことができない。また、逞しさや強さだけではなく、人の心の悲しみが判るということがどれだけできるか」と自著の中で問うています。

私たちはこの「人間」の見えない心に寄り添うホスピタリティ技術を通じて、地域共同体として、今後も努力してまいります。これまでお力添え頂きました皆さまに心より感謝申し上げるとともに、改めて一層のご愛顧をお願い申し上げます。

2016年12月吉日
北山ひとみ