「Cittaslow Global Forum」参加報告書
NIKI CLUB&SPAレセプション 原田祐輔
韓国にて行われた「Cittaslow Global Forum」へ二期リゾートを代表して参加してまいりました。
◆ フォーラム概要
スケジュール
2008年10月30日 大韓民国ソウル市 韓国観光公社 ・・・「Cittaslow Global Forum」
10月31日 河東郡(Hadong) (Cittaslow認定候補地) 現地視察ツアー
11月1日 莞島郡(Wando)および青山島 (Cittaslow認定地)現地視察ツアー
11月2日 ソウルへ戻り宿泊、翌日 帰国
主 催
Cittaslow Korea Network (韓国スローシティ連盟)
詳 細
「Cittaslow」は発祥であるイタリア語の表記のため、わかりづらいが「スローシティ」である。
1989年イタリアにて、蔓延化が進んでいた「ファストフード」に対抗し「スローフード」が誕生した。この言葉は日本でも馴染み深い。
スローフードの誕生から10年。
伝統的な食材や料理方法を守り、質のよい食品やそれを提供する小生産者を守り、消費者に味の教育を進めるという考え方を、食品に限らず「生活全般」「歴史」「伝統文化」「景観」などに代表される「都市計画」へ拡張していこうと、「スローシティ」というムーブメントが誕生した。
アジア圏での知名度こそ低いが、ヨーロッパでは現在16ヵ国106都市が認定地となるほど、大きな動きとなってきている。
◆韓国では2008年3月に、今回の視察地である莞島郡のほか、潭陽郡、長興郡、新安郡の4地域がアジアで初認定された。
今回はイタリアからスローシティ国際連盟の会長および副会長、総合ディレクターの3名と、既にスローシティ認定を受けているオーストラリア南部アレキサンドリア自治体から自治体長夫妻、副自治体長夫妻の4名が韓国入りされた。認定後初の現地視察および、現在認定へ向け運動のすすんでいる候補地域の視察を行うツアーも兼ねたものだ。
◆ 10/30
「Cittaslow Global Forum」ソウル市中心部に位置する「韓国観光公社(KTO)」の会議場には、スローシティのムーブメントを推進する、企業の代表・大学教授・韓国内の自治体長・および一般の有志者 約100名の集まりで執り行われた。

◆ 10/31
早朝にソウルを出発し、最初の視察地となる河東郡(Hadong)へ移動。
河東郡は韓国南部 慶尚南道内の西部人口約5万人の郡である。
郡内の「Agyang-myeon」地区 緑茶の生産量が韓国内全量の29%を占めるほど盛んな地域。その他、特産の柿や韓国三大寺でもあるSsanggyesa Templeの歴史史跡などの魅力を活かして、スローシティ認定へ向け申請をすすめている候補地である。

◆ 11/1~2
午前中にはSsanggyesa Templeの見学、僧侶のお話を伺った後、午後にHadongを経ち韓国初(4地域同時)のスローシティ認定地となった莞島郡(Wando)へ移動。
莞島郡(Wando)は韓国最南西部、全羅南道にある人口5万8000人の郡で大小約30の島々からなる諸島の地域である。
豊富な海の幸が特産で、特にアワビの名産地である。
翌朝、港より船に乗り「青山島(cheongsando)」という島へ渡った。
「青山島」は日本でも大人気となったドラマ「春のワルツ」の背景観にもなった、とても美しい風景の残る島だ。
島では、日本でも少なくなってきている「海女」が多く残り、アワビやサザエ、タコなどを素潜りで獲る伝統漁法が残っている。
私たちの視察に合わせて、8名の海女さんが2時間もの間、海へ潜り貴重な海産物を獲り、さらには新鮮な状態で食事として振舞ってくれた。
全行程の最後、莞島(Wando)一体が見渡せる高台に建つ「Wando Tower」へ。


◆ 滞在を終えての感想
日本においても、「地域の伝統や文化を保守する」「地産地消」。この考え方は既に充分に認知されているものであると思う。
ただ、「スローシティ」はそれを国際的な枠組みときちんとした認定地というかたちで設けることで、地域住民にとっても訪れる人々にとっても確固たる「ブランド」を意識付けられるものとなっている。
韓国は首都のソウル市に全人口の25%が集中し、地方の発展度合いというのが極端に遅れた現状を抱えている。
そのような中、Cittaslow Korea Networkは、「小さな町が、本当のゆたかさを生み出す」という信念のもと、活動を広め、ついにはアジア発のスローシティ認定地を誕生させるまでに至ったのである。
日本各地では既に類似したムーブメントがあるなか、情報やインフラの地方への整備は整い、様々な要素から良い意味での「地域格差」は少なくなってきているのではないか?
これに関しては、Cittaslow Korea Network会長である漢陽大學の孫教授も「日本はすでに発展の度合いが先に行き過ぎてしまっているため、反対にむずかしい」と話されていた。
二期リゾートとしては、実際に「スローシティ」認定地をつくりあげるということよりも、この意識が日本に於いても、もっと拡がるように、そのきっかけを創り日韓の交流を深めていきたいと思った。
そもそも「スロー」とは、何もかもを「遅く」というような偏った考えではなく「大切なことは、いったん足を止めて自分たちに本当に必要なのか?」
このような、ゆとりをもった考える時間「スローな瞬間」を設けることの大切さ、を訴えているものなのだ。
- 2008/12/05


