かえで会/Kaede Kai

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ホスピタリティ・プライマリーセミナー開催のご報告

昨年の9月28日、「ホスピタリティへの意識を顕在化する」ことを目的に、基礎的なセミナーが行われた。講師に山本哲士氏(東京藝大客員教授 社会学・哲学研究 )、田中実氏(元巣鴨信用金庫顧問 )、青柳新吾氏・石丸雄嗣氏・二宮和江氏(国際ホスピタリティ研究センター)、二期各位を迎えた。
≪サービスとホスピタリティとは...?≫
「サービス」はサーバントを語源とし「人に尽くす」上下関係における奉仕の概念であり、西洋の近代哲学のもとに産業概念とともに広がった。「いつでも、どこでも、だれにでも」という均質一般化されるものと定義される。
一方、「ホスピタリティ」はホステイルを語源とし「敵を友化する」対等関係における関係技術の概念であり、近代化によって見失われてきた経緯があるが、アジア的な文化土壌に色濃く残る。「このとき、この場所、このひとに」と、一対一の固有なものと定義される。
相反する部分も多いが、ホテル業においては基本的にふまえるものとしてのサービスと、その先に一回り大きな概念として表現されるホスピタリティとも言える。
ホスピタリティを発揮することとは、意識以外の部分で顧客へコンタクトしている状態を作ること。現状
を分析して、行動を規制しているコードを明確にし、変化の方向を提示して習得をするというプロセスになる。大切なことは、外的に与えるものではなく、内発的につくってゆくこと。行動指針となる言葉の提示、メタマニュアル化と社員自らが新しい言葉を作って共有してゆくことが必要。
ホスピタリティは、資本を形成する動きであり、産業的偏りを是正もしくは超えてゆく哲学的可能性を持つ。デザイン、経営、政治、哲学、教育を貫いて新たな系を作ることで、豊かな経済への希望を示すものとして提示したい。

≪ワークショップ研修会≫
ワークショップでは、〝サービスとホスピタリティを自分の言葉で説明してください〟というテーマでチームごとに議論が行われ「マニュアル化できない」「人の顔を聴く」「述語性」「笑顔とその質」「気持ちのいい時間をつくる」「個々に対応する」などの意見が発表された。
次の〝みなさんから講師へ質問をしてください〟というテーマでは、「料理のリクエストにNoを言わないことは可能か?」という質問に対し、ムッシュから「かならず提案を出す。可能性は多様にあるから厨房を信じればいい」といった回答があった。
ほかにも「最高のサービスを目指してきたが、ホスピタリティとの差異をどう解消すればいいのか?」に対し、山本氏から「ホスピタリティは提供側もよろこびとなる。その境界や差異を人に伝えるにはどうすればいいか自身で定義してゆくなかで、明確になっていくでしょう」という回答があった。
今後の課題予想以上に社員の間での討議が充実しており、発言が多く驚いた。けして勉強で出てくるようなことではなく、それぞれの立場や経験から出た発言であり、十分なポテンシャルを感じた。個々の対応力や意識が高い反面、共有化に課題を感じる。効率的に処置する部分と、ホスピタリテ
ィ的に醸成する部分を意図的に構成すると良いと思う。
田中氏からウェルカムカードの話があったが、利用者から直接広がってゆく効果をもっと積極的に仕組んでも良いと考える。(研修レポートから抜粋)

  • 2010/10/04