2010年 新年

 那須高原山麓横沢地区わずか6部屋の二期倶楽部をオープンしたのが1986のことでした。1997年に14部屋を増築その後2003年にスパに特化した東館(NIKICLUB & SPA)を敷地内に増設。この東館は、アジアにいて、初のテレンコンラン卿の手がけるホテルプロジェクトとあって話題を呼び、2004年度稼働率が90%に達し、私どもも大変驚いたものです。さらに2006年 20周年記念事業として庭内に野外劇場「七石舞台かがみ」と、隣接地にゲストハウス「観季館」も完成いたしました。続いてガラス工房、焼物工房を併設した、長期滞在型施設「アート・ビオトープ」をプロデュース。二期倶楽部の真向かいの土地に計画し、二期倶楽部のゲストでもある投資家に所有いただいき、二期倶楽部の提携施設として位置け、私どもで運営管理しています。これで、オーベルジュにき倶楽部1986(本館)、スパホテル「NIKICLUB&SPA(東館)、カルチャーエリアのモニュメントでもある七石舞台そして多目的空間が加わり当初より思い描いていたカルチャーリゾートの基礎がようやく出来上がりました。

 今年、私どもは24年を迎えます。改めて振り返ると、日本人の観光のスタイルも随分と変わり、今ある多くのスモールホテルはその変化に合わせて成長してきた20年ともえ、二期倶楽部もこのニュートレンドの中で、業績を伸ばしたのだと認識しています。その一方、ここ数年は100年に一度の恐慌といわれる経済不況下、消費者のモノ離れに歯止めが効きません。元セゾングループの総帥の堤清二(辻井喬)と社会学者上野千鶴子との対談集『ポスト消費社会のゆくえ(文春新書)は、セゾングループの功罪を分析しながら、消費社会が終焉を迎えつつある今、私たちは何を指標に社会を再構築していくか、その手がかりを探っています。また、ニューヨーク大学名誉教授の佐藤隆三氏は、アメリカの経済思想の潮流を踏まえ、冷酷な資本主義に対する「温かい資本主義」の復権を提唱され、新政権が打ち出した「友愛主義」の深化を論議すべきではないかと語っています(日本経済新聞2009年10月26日)

 そんな時代に、私たち宿泊業に携わる者も"ホスピタリティ産業"の持つ真の文化的価値に目を向け、実践することが大切だとつくづく思っています。実は、ゲストもリゾート文化に今まで以上に深い関心を寄せているのです。それは、従来あった、単なるラグジュアリーな感覚を求めて優雅な非日常を体験するといった単純なものではすでになく、例えば、食べる体験の中に、素材や産地、その生産状況への関心、地球環境への共感、人間同士の親密なコミュニケーションといった、驚くほど多面的な文化創造の契機と興味を込めて、深い関心を寄せているようで。それはあたかも、日本に古来からあった総合芸術としての茶の湯の伝統が現代に甦った感がいたします。食を中心に生活文化の総合化をはかった、かの巨人、北大路魯山人が、お茶の宣伝にまで登場するほど人気者になったことも、皆の記憶に新しいことです。

 リゾートについても同様で、そこには、自然への愛着と同時に、普段の営みそのものを慈しみ、愉しみ真の精神的欲求が込められるようなユニークな自己開発の場となっています。私ども二期倶楽部は、NPO法人アート・ビオトープと連携し、2008年よりサマー・オープン・カレッジ「山のシューレ」を開催させています。2009年夏は「環境・身体・言葉」をテーマに、各界で活躍しているクリエイターを招き、座学からワークショップまで行い、会期の5日間で1,000名近い方にご来場いただきました。2008年に比べて1.7倍増えたのですこうして着実来場者数が伸びていることをみても、文化芸術的刺激によって、改めて五感を解放するどうも現代人はそのようなことに活路を見出しているように思えるのです。

 アグリツーリズムやヘルシーツーリズム等々のニューツーリズムが注目されている中、サマー・オープン・カレッジ「山のシューレ」が那須ロイヤルリゾートの重要な文化コンテンツになることを夢みて、さらに横沢地区を文化の聖地バイロイトに倣い、育て上げる大きな構想を描き、今夏の山のシューレの準備に奮闘中です

[2010.01.05]

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株式会社 二期リゾート
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