私どもサービス業は、お客様と直接お話しすることや電話を通してお話する機会が多い職業です。なので、お客様への言葉遣いは大変気を遣うもののひとつです。とくに現在の日本語は、漢字、ひらがな、カタカナ、欧米語を使い分けている世界でも稀有な言語。しかも、その上尊敬語、謙譲語、丁寧語もあって、これをしっかりと熟知しなければなりません。今問題になっている「ら抜き言葉」や「マニュアル言語」ともいうのでしょうか、コンビニやファミリーレストランで「ほうでよかったでしょうか」などの使い方にふれると、やはり首を傾げてしまいます。
それにつけくわえて、このごろ少々耳障りなのが「鼻濁音」と「濁音」。言葉遣いには厳しいアナウンサーにしても、ニュースなどを読むときにはしっかりしている「鼻濁音」が、素にもどり自分のコメントを言う際には「......なんですが、」の語尾が極端な「濁音」になっていることを見聞きします。また、交通機関を利用した折の機内放送や電車での車内放送などでも「鼻濁音」が「濁音」になっていることを聞くことがままあります。
ご存じのように、ガ行には「濁音」と鼻にかかった「鼻濁音」の2種類あります。「学校」「銀行」などの頭にくるガ行は「濁音」で、「中学校」「高等学校」などの言葉の途中に出てくるガ行は「鼻濁音」です。「私が」などの助詞も「鼻濁音」です。この「鼻濁音」は、地域によっても異なり、関西以西の西日本や四国・九州では原則的に使用しないと聞きますし、最近東京でも使用しない人が増え、とくに若い人ほど「鼻濁音」を発音しない傾向にあるそうです。もちろん、言語は時代によって変化します。そして地域によっても異なります。「鼻濁音」で対応される際のまろやかな響きを感じるのは私だけでしょうか。日本語から少しずつ鼻濁音が消えていく傾向にあることはとても残念でならないことです。日本語を大切にしようと思うなら、美しく、澄んだ、きれいな響きのする「鼻濁音」を残しておきたいものです。なぜなら「鼻濁音」は日本語の「美濁音」と思うからです。
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